熟年離婚はどちらから?
熟年離婚と言っても、最近は女性から言い出すとは限らないそうです。
有馬ゆえ
2021.10.15
読者限定
こんにちは。
毎年、小学校時代の友人とキンモクセイの訪れを報告し合っています。「来たね」「うん来たね」と文字を送りあって、ともに秋を感じられる幸福よ。しかし、その第二陣を知覚してもなお気温が30度なんていうのは人生で初めてだ!
さて今回は、佐賀新聞Fit ecruでの連載から過去記事「熟年離婚はどちらから?」(2020年7月掲載)の加筆修正版をお送りします。前回更新した「男子、厨房に入れず」の続編的に書いた性役割についての話。
***
熟年離婚というと、夫の定年を目前にして突然別れを突きつける妻の姿が目に浮かぶ。不倫などが原因になることもあるが、多くの場合、妻を突き動かすのは「このまま自分の人生を終わらせたくない」という衝動だ。
自分のことを後回しにしながら家事、育児、介護を一手に引き受けてきたであろう世代の女性たちは、そろそろ「妻」でも「母」でも「娘」でもなく「自分」として認められる人生を送りたいと考えるのだろう。その後、義理の親、そして夫の介護が待っているとしたら、なおさらだ。
一方で最近、男性側が熟年離婚したいと望むケースが増えつつあるという。ある知人から聞いたのは、単身赴任中に妻へ離婚を切り出した佐賀県出身の男性の話だ。