IKKOを召喚せよ

友人が教えてくれたライフハックのこと。IKKOさん、お慕い申し上げております。
有馬ゆえ 2022.01.21
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IKKOさんオフィシャルサイトより

IKKOさんオフィシャルサイトより

こんにちは。

年末から、小学生の頃から大好きな和田慎二にふたたびハマっています。今は『超少女明日香』を読んでいますが、明日香は自立しててかっこいいし、設定の外連味最高だし、スターシステム愛おしいし、ほんと最高。過去の突発的な断捨離により大量処分したことが悔やまれる! 没後10年ですって。早いですね。来月刊行される画集が届くの楽しみだな~。

さて今回は、佐賀新聞Fit ecruでの連載記事から「IKKOを召喚せよ」(2019年11月掲載)の加筆修正版をお送りします。友人が教えてくれたライフハック。

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IKKOさんにとてもお世話になっている。もちろん、「どんだけ~!」で一世を風靡した美容家のIKKOさんだ。と言っても現実に、ではなく脳内で、である。

初めてIKKOさんを脳内に召喚したあの冬の日、私は1歳半の子どもをベビーカーに乗せ、バスで保育園から帰宅していた。

帰宅ラッシュの18時半、薄暗い車内の混雑は普段よりひどかった。降りる駅が近づき、バスがブインとアクセルを利かせて坂道を登り始めると、バスの揺れで誰かの足がベビーカーの子どもの足先を圧迫した。反射的にそれを蹴り上げる子ども。ああごめんなさい。反射的に謝る私。蛍光灯の白々した灯りがいつもより冷たい。

もうすぐバス停だ。「降ります」と小さく声をかけるが、道はやっぱり開かない。「降ります」。プー。あ、降車口の扉が閉まりそうだ。「降ります!」。叫ぶと、乗客たちがこちらを一瞥して、仕方なさそうに動き出す。私はいつものため息をつく――。ああ、すいませんね。混雑の時間に子連れでバスなんか乗って、混んでいるなかで降りようとして。

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