姉妹愛がわからない
こんにちは。
変な気候が続き、すきっと青い空にくっきり浮かぶ入道雲が恋しいです。若いころ、あんなに憎かった夏を好きになるなんて、年月は人を変えますね~。人生楽しや。
先日、小学校の時に読んでいたブライトン「おちゃめなふたご」(ポプラ社)シリーズを読み返しはじめ、双子姉妹の心強さに憧れたことを思い出しました。そこで今回は、佐賀新聞Fit ecruでの連載から過去記事「姉妹愛がわからない」(2018年4月掲載)の加筆修正版をお送りします。エルサとアナの絆って、ファンタジーだと思ってたけど。
同じ女であっても、これほどに見ている世界が違うのかと驚くことがある。ここ数年で一番驚いたのは、世の中に『アナと雪の女王』を自分事とにして理解できる一派がいるらしいという事実だ。
つまり私は、姉妹愛がわからない。
それに気づいたのは、大学時代の友人2人とファミレスでパフェをつつきながら老後の話をしていたときのことだった。ともに姉妹を持つ友人たちは、こんなふうに話していた。
「結婚してない私からすると、これからの人生、いざというときに助け合える友達との関係がすごい大切だなと思う。長く付き合ってる子とは、多少のことは飲み込んででも仲良くしていたいんだよね」
「わかる。結婚してても夫が死ぬ可能性もあるわけで、老後まで持ちつ持たれつの関係でいたいよね」
「そうそう、だからさ、ちょっとしたことで関係を断つ人がいるのが信じられない」
「友達同士だってお互いに尊重しあうことが大切だと思うんだよね。私、妹ともずっとそういう関係でいたいと思ってる」
え? 待って待って。私は心でツッコミを入れた。しかし、会話は進む。
「わかる~! 私もお姉ちゃんとは長くいい関係でいたいからさ」
「だよね~!」
?? すーっと彼女たちが遠ざかり、ぼんと宇宙の外に放り出された気持ちになる。なんでいま、すごく自然に友人の話から姉妹の話にシフトしたんだ? 話、超盛り上がってるけど、姉妹って友人と全然違わない? 疑問で体がフリーズし、会話の内容が頭に入ってこなくなる。これは、私の知らない世界の話だ。