希望の朝のルーティーン

新しい朝が来た。希望の朝だ。
有馬ゆえ 2026.11.06
誰でも
ふとんの地層。photo:yue arima

ふとんの地層。photo:yue arima

 こんにちは。ライターの有馬ゆえです。冬だ~。

 今年は暖冬だそうですが、低気圧の影響を受けやすく、降雨量が多いかもしれないそうです。気圧の変化に弱い私としてはつらい。気象病に効果があるという漢方薬「五苓散」を飲んでも追いつかず、頭痛がしたり、更年期症状がひどくなったり。しかも日照時間が減ると、冬期うつ気味にもなるのだった。

 さて今日は、そんな毎日を何とか始める平日の朝の過ごし方について。面倒くさがりな私の家事と運動。

***

 最初のアラームは、6時30分。その次は6時45分。その次は7時。それをスヌーズにしたり、止めたり、止めずに子どもの枕元に置いたりして、ふとんから起き上がる。このところはなかなかパッとしない天候と、眠たくなるギリギリまで映画を観ている自堕落さのせいで、身体が重たいのだった。

 7時15分か20分ぐらいに家族全員で朝食。7時54分にアレクサのアラームが鳴り、それを合図に子どもがバタバタと登校していく。一緒にエレベーターに乗り、1階で子どもを見送って、再び4階の我が家に戻る。

 玄関の扉を開けると、洗面所では夫が洗濯機を回し始めている。我が家は夫婦二人とも自宅で仕事をしているので、ここからはしばしお互いに家事の時間だ。私は朝食の後片付けのため、キッチンへ向かう。

 両手に白いゴム手袋をはめ、右手のスポンジに食器用洗剤を出すと、わしゃわしゃもんで泡立てる。お茶碗、お椀、それからフルーツを入れたガラスの器、コップ、おはし、スプーン、子どもが食べたヨーグルトのカップ、小さなまな板、ステンレスのペティナイフ。我が家には薄くて割れやすいような繊細な食器はないので、遠慮なく食器をつかみ、次々とスポンジでこすって重ねていく。ちなみにガラスは、コップも器もほとんどが強化ガラス。食事当番の私が、力加減の調整が不器用だからである。

 納豆を食べたお茶碗と納豆のパックは洗わずそのまま置いておき、スポンジをシンクの左奥に避難させてから水道の蛇口を上げる。

 ジャーッと水道水が流れ落ちる先に、よけておいたお茶碗と納豆パックを移動させると、その上で泡のついた食器を水洗いする。すると、シンクの中が空になりかけた頃には、食器やパックについた納豆のぬめりが取れている。私の編み出したどうでもいいライフハックである。

 水洗いした食器は、乾きやすいように小さいものから互い違いに重ねて洗いかごに置いていきたい。ただ、最後に重ねるお椀は、しばしば山頂から転げ落ちてしまう。だから、うまいバランスですべての食器を置けると達成感があって、とてもうれしいのだった。

photo:yue arima

photo:yue arima

 食器洗いが終われば、掃除機の出番である。掃除を面倒にしないため、軽くて動かしやすいマキタのスティッククリーナーだ。メインのマシンにするには威力が弱いらしいが、その情報は見なかったことにしている。最初に廊下、それから洗面所、居間とキッチン、子どもの部屋、仕事部屋。掃除機はだいたい毎日、ざざっとかける。私と子どもの毛量が多いため、1日2日サボると床の髪の毛が気になって仕方ないのだ。

 夫が、キッチンで二人分の朝のコーヒーをいれはじめている。

 一方の私は子ども部屋へ。まず、子どものベッドの上に丸まっている掛け布団、それからベッドサイドに敷かれた私の掛けぶとんと敷きぶとん。窓を開け、網戸を開けて、過保護にも子どもの分もすべてたたむ。

 私は現在、夜の独り寝を恐れる子どもの要請に従って、子ども部屋に宿泊する形式で一緒に寝ている。見守り役をお役御免になる日がいつ来るのかはわからないが、きっと小5の子どもが親と一緒に寝たがるのは、長くてもあと1年ぐらいのことだろう。そう思って、すうすうと寝息を立てる子どもの隣で眠る幸福を噛みしめている。

photo:yue arima

photo:yue arima

 家事部門が終了すると、子ども部屋を借りてしばし運動をする。家具を移動せずに運動できる場所は我が家にはここしかないので、土日や長期休暇中は朝の運動は休止される。

 まず、ヨガの太陽礼拝だ。これは、ヨガの先生をしている友達から10年以上前に教わったもの。身体が痛む箇所はゆっくりと入念に伸ばしながら、一連の動きを一巡、心の余裕がある時は二巡、三巡と繰り返す。

 YouTubeやDVDを観ながら運動をするのは面倒ですぐやめてしまうのだが、太陽礼拝は彼女に教えてもらったとおりにいくつかの動きをすれば良いだけなので、なんとか続いている。教えてもらったのは10年以上前のことだが、今になってありがたみが増している。

 その後、余裕があればデスクワークで固まりやすい股関節のストレッチをしたり、太ももの前側の筋肉をフォームローラーでほぐしたり。

 そしてメインイベント、ラジオ体操だ。

 ラジオ体操を始めたのは、今年の4月頃。マッサージの仕事をしているママ友から「デスクワークの運動不足解消に!」と勧められたのを思い出したのだ。10歳以上年下の心優しい彼女は、仕事に集中しすぎて固まった私の身体を心配してくれたのだった。

 スマホでかんぽ生命のYouTubeチャンネル「ラジオ体操チャンネル」を開き、「ラジオ体操第一」を再生する。我が子は学校でラジオ体操をしないようなのだが、昭和の小学生だった私の身体にラジオ体操第一は染みついている。準備運動といえばラジオ体操だし、あのピアノ伴奏も大好きである。

 ターンターンタタンタンタンタン、ターンターンタタンタンタンタン、タンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタン、ハイッ! 子どもの頃のような恥じらいはないので、3分間、思いっきり身体を動かす。

 ふーふーと息が上がったところに、7月あたりからは「ラジオ体操第二」もするようになった。

 ラジオ体操第二は青年期、壮年期向けの体操だそうだ。私は学校で習ったことがなく、しかしその音楽には親しみがある。中高生の頃、平日の朝食の時間にはキッチンのラジオから「ラジオ体操」が流れていたからだ。お弁当を作っていた母がNHKラジオを聞いていて、ちょうど私がキッチンに行く6時半はラジオ体操のコーナーの時間なのだった。

 タンタンタカターン、タンタカターン、タンタンタンタンターンタターン、タンタンタカターン、タンタカターン、タンタンタンタンタンッ、ハイッ!

 30年以上、音楽だけを知っていたラジオ体操第二は、いざ挑戦するとちょっと難しく、でもなかなか楽しい。子ども向けの第一に比べるとエクササイズっぽい内容で、伴奏もよりドラマチック。音楽に乗って力強く腕をぶんぶん振り回したり、楽しく跳ねたり、愁いを帯びた調子で上半身を回したりして、身体の動きに気持ちが乗るような感覚がある。毎回、終わってしまうのが惜しいぐらいに面白い。

 朝の運動は、これにて終了。8時45分、すべて終わる頃には、全身がやや汗ばんでいる。私の場合、やる気にもエネルギーにも満ちていない日の方が多いが、身体が温まると「まあ今日もやるか」という気持ちになったりもする。ならない日もある。そもそも、運動しない日もある。

 だが、一日は始まる。夫がいれてくれたコーヒーを一口飲んでから、子どもが下校するまでの6時間ほど、仕事やらなんやら、やらなければならないことをする。やる気がなくても。

 これが、私の朝のルーティーンだ。ラジオ体操の歌の通り、新しい朝、希望の朝の。

***

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